事故発生の電気工作物
高圧送りケーブル遮へい層接地線
機器電圧
6,600V
被害の内容
地絡事故を検出できず、DGR 継電器が不動作
事故の状況
受電所からサブ変電所への高圧送りケーブルで地絡事故が発生し、受電用PAS が動作、事業場が全停電となった。
調査した結果、サブ変電所への高圧送りケーブル遮へい層接地線(遮へい銅テープ用リード線)をZCTに通していなかったため(写真1)、高圧ケーブルの地絡事故を検出できす、送り用DGR 継電器が動作しないことが原因であった。(図1)
引出用ケーブル(片端接地)の場合、図2 のように電源側にある遮へい層接地線はZCT を通して負荷側に接地する。
備考
- DGR 継電器試験では、地絡検出範囲の確認はできない。
- 太陽光発電所の工事に配線間違いが多く見受けられる。

写真1 ZCT に接地線を通していない

図1 高圧ケーブルの地絡事故が検出できない

図2 高圧ケーブルの地絡事故が検出できる
事故の原因
- 土木工事作業者は構内道路掘削作業前に埋設物の確認を怠った。(電線管、水道管、ガス管等)
- 埋設標識杭・埋設シートがなかった。
- UGS 未設置のため波及事故となった。
- 電気管理技術者に工事の連絡、相談をしなかった。
事故の防止対策及び教訓
- 掘削作業前に埋設物の確認、調査をおこなう。
- 埋設シート、埋設標識杭を布設する。
- 波及事故防止のため、UGS を設置する。
- 電気管理技術者等へ事前に連絡する。再発防止を図るため、他の事業所へも今回の事故を周知する。