講師よもやま話
風力発電所は簡単には発電できません。

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松下正晴(まつしたまさはる)
定期講習講師(知識、事故例、法令)

私は風力発電所の電気主任技術者をしています。現在の職場は定年後に再就職した所で、前職でも風力発電所の竣工検査を行っていたので、第二の人生の仕事としては良いかと軽い気持ちで引き受けました。

皆様の中には、風力発電は風が吹けば簡単に発電するから自然エネルギーを有効に活用できる発電設備と思っている人がいると思いますが(私もそうでした)、いざ現場に入ってみると、電気屋として永くやって来た私が、風力発電についていかに勉強不足だったかを思い知らされました。

私が管理している発電所の設備は、出力2000kW、タワー高さ80m・ブレード(羽根)⾧さ41m、多極永久磁石励磁形同期発電機、定格風速12m/s、定格回転数19rpmです。

「風力発電所は簡単に発電できません」がどの様な意味か説明します。まず、風力発電所は電力会社からの電源がなければ発電できません。風力発電機には正確そして安全に発電するため、多くの監視制御装置が設置されておりその電源が必要です。その監視制御装置には

・風速、風向及び風向と風車の向きの誤差が規定値内に収まっているかを監視する。

・風速が規定値以上になったらブレードの角度を調整し風を受けやすくして風車を回転させる。

・規定値以上の回転数になったら発電された電源を電力側に送るための遮断器を投入する。

・風車の回転数が一定値以下になったら、遮断器を開放する。

・台風等で強風が吹いた場合は、ブレードの角度を変えて風を逃がし回転部分にブレーキをかけ、制限時間内(10秒)に風車を停止する。

などの機能があります。

元々強電専門の私としては、風力発電所は発電機や遮断器の管理がメインでそのメンテナンスをしっかりすれば発電できるものと考えておりましたが、それが大きな勘違いだと気付きました。

現在は、風車の分電盤内にある精密機器の名前や機能を覚える為、メモ帳片手に奮闘中の毎日です。

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