松下正晴(まつした まさはる)
定期講習講師(知識、事故例、法令)
皆さんはそれぞれの仕事をする中で、技術や知識を身につけるため先輩から色々教えてもらったり、自分で勉強することもあると思います。
私も、自分の技術力アップを目指し色々な講習会への参加や資格取得に挑戦しました。
試験勉強では、何回トライしても解けない問題があり、こんな問題は滅多に出ないだろうと開き直ったり、満点取る必要ないから大丈夫と自分を励ましながら、勉強を続けた事もありました。
題名の「無知の知」は資格試験の勉強する中で身にしみて感じた事でした。
一生懸命勉強して資格取ったときは本当に嬉しいのですが、現場では次のような色々な問題やトラブルがあり、勉強だけでは解決出来ない事に気づきました。
・あるゲームセンターでの出来事
分電盤のブレーカー数個が目の前でトリップ、
過負荷なし、他からの電圧電流の影響なし、高調波等の影響なし、
電力会社の調査専門も来ましたが原因不明お手上げでした。
不具合箇所の分電盤は、原因不明のまま主電源を開放し、使用停止となりました。
ゲーム機の電源を他の分電盤から取り直しました。
・自然エネルギー(太陽光・風力)の増加に伴う、電圧変動対策
・送電線末端で発生する零相電圧の発生(電圧保護継電器に影響)
資格の勉強だけでは現場で十分な対応ができなく、経験を積んで対応力を向上させることが重要と認識させられました。
そして、ある日会社の先輩から「資格取って天狗になるなよ」と言われました。
私は「勉強すればする程自分の無知がわかる。それよりも自分の無知も知らず知ったふりする人間にはなりたくない」と言ってしまいましたが、ちょっとスカットしました。
皆さんは、それぞれの目的をもって資格取得を目指すと思いますが、「無知の知」を忘れず広い視野をもって、楽しくトライしてください。