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小規模事業用電気工作物と電気工事等

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Ⅰ. 小規模事業用電気工作物とは

小規模事業用電気工作物という用語は、2023年3月に改正施行された電気事業法で新たに規定されました。それまでは一般用電気工作物としていた出力50kW未満の太陽電池発電設備や出力20kW未満の風力発電設備などの小出力発電設備が、小規模発電設備という名称に変更されました。そのうち出力10kW以上50kW未満の太陽電池発電設備出力20kW未満の風力発電設備小規模事業用電気工作物とし、事業用電気工作物に含まれるとされました。小規模事業用電気工作物以外の小規模発電設備は、従来どおり一般用電気工作物です。

事業用電気工作物は、次図のように電気事業用の電気工作物と自家用電気工作物に区分されます。小規模事業用電気工作物が電気事業用として設置するものでなければ、電気事業法上は自家用電気工作物になります。

電気事業法では、従来から自家用電気工作物を設置する者に対し、保安規程の届出と主任技術者の選任が義務付けられていますが、小規模事業用電気工作物については、その義務は適用されず、代わりに次の義務が適用されます。

1.技術基準適用維持義務(電気事業法第39条) 
小規模事業用電気工作物を設置する者は、これを技術基準に適合するように維持する必要があります。

2.設置の届出(電気事業法第46条)
小規模事業用電気工作物を設置する者は、その使用開始前に、設置者の氏名・住所、原動力の種類・出力等を記載した書類を経済産業大臣に届け出る必要があります。

3.自己確認(電気事業法第51条の2)
小規模事業用電気工作物を設置する者は、その小規模事業用電気工作物が技術基準に適合することについて自ら確認し、使用開始前に経済産業大臣にその結果を届け出る必要があります。

Ⅱ. 小規模事業用電気工作物と電気工事

1.一般用電気工作物等
小規模事業用電気工作物に関する電気事業法の改正に併せ2023年3月に電気工事士法も改正され、新たに「一般用電気工作物等」という用語が定義されました。一般用電気工作物等とは、電気事業法でいう一般用電気工作物と小規模事業用電気工作物のことをいいます。また、自家用電気工作物については、電気事業法の自家用電気工作物の規定を引用しつつ、これから法改正前の発電所、変電所及び最大電力500kW以上の需要設備の除外に加え、新たに小規模事業用電気工作物を除外しています。

2.小規模事業用電気工作物に係る電気工事
第二種電気工事士については、上記の電気工事士法改正前は一般用電気工作物に係る電気工事の作業に従事できるとされ、I. で述べたように小出力発電設備は一般用電気工作物であり、法改正で新たに規定された小規模事業用電気工作物となる出力規模のものもこれに含まれ工事が可能でした。2023年3月電気工事士法改正では、第二種電気工事士は一般用電気工作物等に係る電気工事の作業に従事できるとされましたので、小規模事業用電気工作物に係る電気工事も行うことができます。

Ⅲ. 小規模事業用電気工作物と事故報告

小規模事業用電気工作物を設置する者は、電気関係報告規則第3条の2に基づき、次の事故(概略)が発生したときは、産業保安監督部長に報告する必要があります。報告には、発生を知った時から24時間以内のものと事故の発生を知った日から30日以内の詳細報告があります。

1.感電又は電気工作物の破損若しくは電気工作物の誤操作若しくは電気工作物を操作しないことにより人が死傷した事故
2.電気火災事故
3.電気工作物の破損又は電気工作物の誤操作若しくは電気工作物を操作しないことにより、他の物件に損傷を与え、又はその機能の全部又は一部を損なわせた事故
4.小規模事業用電気工作物に属する主要電気工作物の破損事故

                                             以 上

 

             

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