解説 199 条の 2.2 図 充電用ケーブルの断面図の例 - 69 - し,ハで電力変換装置の交流側に絶縁変圧器を施設することで,基本的に地絡電流の帰路が構成されないようにする。なお,ロでいう非接地回路は,基本的な帰路の構成を防止するためのものであり,地絡検出のために設置する高抵抗接地を行うことを妨げるものではない。 ニでは地絡電流,過電流発生が流れたとしても遮断できるように地絡遮断器を設置すること及び過電流発生時に遮断できるよう過電流遮断器を設置することを求めている。なお,地絡電流は,IEC61851-23(2023)に準じ IEC60479-1(2018)に示す表 13 の DC-2 領域内の値に制限することとしている。 ホでは,地震等で車が動いて電路が断線した又は接続器が外れた場合に,安全に電気の供給を停止するための規定である。これに適合する装置の例としては, 例えば充電用ケーブルの外装の内又は外に通信線を配置し, 通信が遮断されたことを検知し,遮断する方法が考えられる。なお,充電設備には, 複数の充電用ケーブルを備えた充電設備から同時に複数の電気自動車等に充電できるものもあるが, それぞれの充電用ケーブルで第二号ニに示す不具合が生じた場合は適切に充電設備を停止させる必要がある。 第三号は, 充電設備と電気自動車等を接続する充電用ケーブルの施設方法についての規定である。 イ は, 断 線 の お そ れ の な い よ う 充 電 用 ケ ー ブ ル の 単 心 の 断 面 積 を 規 定 し て い る 。IEC 62893-4-1(2020)は ,EV 用急速充電設備に接続する充電用ケーブルの性能を規定している。充電用ケーブルは, 解説 199 条の 2.2 図のように絶縁被覆で覆われた電力線, 制御線, 保護接地線を一つの外装に纏めたケーブルとなっている。 IEC62893-4-1(2020)の適用にあたり, 第 8 条で規定する高圧のキャブタイヤケーブルと比較した結果, IEC62893-4-1(2020)は ,モード 4 専用の充電用ケーブルに特化した性能が規定されていること,加えて第 3 項の第二号のとおり充電設備のシステムとして充電開始前や充電中において充電設備と電気自動車等の間の電路を監視し,適切性を確認していることを踏まえ, 第 3 項に限り適用できることとしている。なお, 充電用ケーブルは適切な許容電流のものを適用すること。例えば, 短時間に大きな電流を流して充電時間を短縮させるいわゆるブーストモード機能を備えた充電設備の場合においても適切な充電用ケーブルを選定する必要がある。 第四号は, 充電設備のコネクタの性能について規定している。人が充電中に誤ってコネ
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