- 51 - 4.3.1 充電器の設置場所の特性 充電器の設置工事に際しては,必要に応じ以下の点に配慮した工事を行うこと。 (1) 屋外設置される電気設備の防護 1)電源回路には漏電遮断器を設けること。( 内線規程 1375-1) 2)屋外コンセントは防雨型とするか,防水箱の内部に収めること。 3)金属製の外箱には 3.3.1(1)による接地を施すこと。( 内線規程 1350-2) 4) 地中管路により配線する場合は土冠り 0.3m 以上とすること。(内線規程 2400-1) 5)固定のためのアンカーボルトは「建築電気設備の耐震設計・施工マニュアル((一社)日本電設工業協会,(一社)電気設備学会)」及び「建築設備耐震設計・施工指針((一財)日本建築センター)」に基づき施工する(勧告)。 6)雨避け,日避け用の屋根を設置する(推奨)。 (2) 車両衝突の防止 1)充電器を駐車スペースに近接して設置する場合は,有効な車止めを設けること(勧告)。 2)充電器に車両が接触するおそれのある場所には,衝突防止ポール等を設けること(勧告)。 (3) 駐車スペースと車路の設定 充電用駐車スペースと当該駐車スペースへ車両が出入りするための車路は,設置する充電器の特性と充電対象となる車種を考慮して適切に設定すること。 (4) 消防法令及び火災予防条例による規制 急速充電器を設置する際は,消防法令及び所管する自治体の火災予防条例による規制を受ける場合があるので,当該充電器メーカーに確認すること。 (5) 給油取扱所に設置する充電設備の規制 ガソリンスタンドなど給油取扱所へ充電器を設置する際は,消防法令及び所管する自治体の火災予防条例による規制を受けるので,所轄消防本部等に確認すること。 解 説 (1) 屋外設置される電気設備の防護 充電器は,家屋の壁面,駐車場の横など,屋外への設置となる場合が多く,一般的な屋外電気設備の設置と同様に,風雨などに対する配慮を行う。それに加え,充電器特有の特性にも配慮する。 屋外での設置では,荒天下での給電・開閉操作が日常的に行われることや,充電器が強い日射,風雨などに曝される可能性がある事から,利用者の利便性や設備の保護を考慮し,極力雨の影響の少ない場所への設置や,雨避け,日避け用の屋根を設置する。 充電器は基本的に屋外仕様となっているが,利用者が充電操作時に濡れないようにするために屋根を設置する。また,積雪によって給排気スペースをふさぐことのないように,積雪地域では大きめの屋根や囲いを設ける。 (2) 車両衝突の防止 駐車時,電気自動車が充電器に衝突しないような対策を施すこと。衝突防止策として,車止めやポールの設置が想定される。 1)車止め 車止めを設置する場合,充電器のケーブル長と利用者の操作スペースを考慮する。4.3 充電器の設置工事
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