電気自動車用充電設備に係る電気設備の設計・施工ガイド
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- 44 - 普通充電のモード 1 及びモード 2 は,充電ケーブルセットをコンセント接続する充電方式である。 電気自動車はモード 1 からモード 4 のうち何れかの充電器を利用して充電を行うが,電気自動車の種類によっては,利用できない充電方式があるので注意する。 4.1.2 充電器の付加機能 充電器の選定に際しては,以下の条件を考慮し必要な付加機能を有する充電器を選定する。 a.利用対象者は特定利用者か不特定多数か(利用者属性に適した充電設備の構築) b.充電時間に制約はあるか(利用者の充電時間の要求) c.課金の要否(課金方式に対応した充電制御機能の要求) d.利用者認証の要否(認証方式に対応した充電制御機能の要求) 解 説 (1) 利用対象者は特定利用者か不特定多数か 特定利用者の場合は,盗電防止,ケーブルの盗難防止などのセキュリティ機能の付加を考慮する。設置スペースや利用できる電源設備の容量が限られる場合が多いので,これら制約条件に適う充電器の選定がポイントとなる。 一方,不特定利用者を対象とした設備では,セキュリティに加え,不特定の利用者が利用しやすい環境に配慮する必要がある。利用者の充電時間や待ち時間を最短にするために短時間で充電できる設備であり,また不特定の車種に対応できる設備や駐車スペース環境になるように,設備やシステムを選定する。 (2) 充電時間に制約はあるか 電気自動車を充電する時間は,利用する充電器の種類により大きく異なる。 帰庫後のまとまった駐車時間を利用して充電を行う場合など,所要充電時間の制約が緩い際には,車載電池を満充電できる普通充電器が適する。 単相 200V による普通充電器の場合,電気自動車の蓄電池容量により所要充電時間が異なる。 普通充電器では,充電のための駐車時間が上記のように長時間に及ぶ難点がある一方,充電設備構築 が他の充電方式に比べ簡素で済み,安価な料金メニューの電力利用やデマン ド コ ン ト ロ ー ル に よ る ピ ー ク 電 力 抑 制 に よ り ラ ン ニ ン グ コ ス ト 低 減 が 容 易 と い う利点がある。 一方,商業施設など滞在時間が短い利用者を対象とする場合は,前記のような駐車時間が確保出来ないので急速充電器の選定を検討する。ただし,時間貸し駐車場で 1~2時間程度の滞在時間が多い場合は,付帯電気設備への影響が小さい普通充電器も考慮する。 (3) 課金の要否 商業施設や時間貸し駐車場で充電器の利用に際して課金を行う場合は,課金方法を検討し,当該課金方法に必要な機能を持つ充電器 又は電力量計などの付帯設備を選定する。

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