電気自動車用充電設備に係る電気設備の設計・施工ガイド
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- 18 - 3.1.2.1 既設需要家へ設置する場合の計画 既設需要家へ充電器を設置する場合は,充電器設置前の受電方式(高圧又は低圧受電)の変更の要否,保安法令への対応等に必要な事項について留意する。 解 説 (1) 充電器設置前が低圧受電の場合 設置前が低圧受電の需要家は,図 3.1.2.1 に示すとおり,充電器のタイプにより受電方式が変更となる。 a.急速充電器を設置する場合 急速充電器の電気容量は 50kW を超えるので,原則として高圧受電となる。この場合,下記について確認及び検討する。 ・高圧受電する設備(引込み開閉器,受変電設備など)の設置スペースの確認。 ・高圧引込点から受変電設備及び急速充電器までの配線ルートの確認。 ・急速充電器の設置スペースの確認。 ・電気事業法上「自家用電気工作物」に該当するので主任技術者の選任。 ・所轄消防署への事前確認。 (三相入力の場合) ・動力引込設備(引込み開閉器,動力盤など)の設置スペースの確認。 ・動力引込点から動力盤及び中速充電器までの配線ルートの確認。 (単相入力の場合) ・専用回路増設の検討。 ・幹線ケーブルの許容電流値の確認。 b.普通充電器を設置する場合 充電ケーブル付き充電器,充電用コンセント盤,充電用コンセントスタンド,充電用コンセントを設置する場合,受電方式の変更は特にないが,下記について確認及び検討する。 ・引込線,幹線容量が不足していないか確認。 ・分電盤に専用回路の増設の検討。 ・分電盤から充電器までの配線ルートの確認。 ・充電器の設置スペースの確認。 (2) 充電器設置前が高圧受電の場合 設置前が高圧受電の需要家は,図 3.1.2.1 に示すとおり,充電器のタイプによらず高圧受電のままで変更はないが,契約電力(基本料金)が上がる可能性がある。 これは,使用状況により契約電力が変更となるため,他の負荷の使用状況も含め変更となる。また,充電器を設置する前には,下記について確認及び検討する。 ・既存変圧器容量の余裕度の検討。 ・上記,余裕がない場合,変圧器を新設又はリプレイス(容量変更)の検討。 ・専用回路(専用ブレーカー)の設置スペースの確認。

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