- 9 - ④急速充電器 非車載の電力変換装置を備えるとともに,電気自動車との間での充電制御機能を有し,直流で充電を行なう,モード 4 充電(後述)に対応した充電器。 解 説 急速充電器自体の設計などについては本ガイドの適用範囲外である。詳細は「電気自動車用急速充電器の設置・運用に関する手引書(平成 22 年 12 月,CHAdeMO 協議会)」で,充電方法や充電器と電気自動車の接続方式などが規格化されている。 急速充電器の最大出力は 50kW 以上となるため,建築電気設備の電気容量は必然的に 50kW以上が必要となり,基本的に,受電電圧は高圧受電又は特別高圧受電となる。その場合,充電器は自家用電気工作物として設置される。受電方式については「3.1 受電設備」で詳述する。 充電設備と電気自動車等を接続するケーブルの電圧が直流 1,500V 以下の高圧である場合は,IEC 62893-4-1(2020) による EV 用急速充電用ケーブルを使用することとしている。 また,モード 4 充電(急速充電器)については火災予防条例上の注意が必要となる。電気を設備内部で変成する電気自動車用充電器は,東京都の火災予防条例では第 11 条の 2急速充電設備に該当し,東京消防庁などから取扱いに係る基準が示されている。各地の消防条例などについては扱いが異なることがあるので注意を要する。留意点については「4.3 充電器の設置工事」で詳述する。 用途は,利用者が当該施設を利用している間に充電完了することが望ましいため,道の駅,ガソリンスタンド,高速道路のサービスエリア,大型商業施設などへの設置が想定される。 ⑤普通充電器 普通充電器は,モード 3 に対応する充電ケーブル付き充電器と,モード 2 に対応する充電用コンセント,充電用コンセント盤及び充電用コンセントスタンドを併せた総称。100V 又は 200V 交流出力を電気自動車に供給し,車載の電力変換装置を利用して充電を行う。 解 説 家庭用の電源設備でも充電ができ,夜間充電など長時間充電に適しているため,戸建住宅,事務所,共同住宅駐車場などへの設置が想定される。 ⑥充電ケーブル付き充電器 筐体内に充電制御装置が内蔵され,さらに充電ケーブルが搭載される電気自動車へ交流電流を供給するための機器。 解 説 充電ケーブル付き充電器(モード 3 充電)に,CPLT (Control Pilot)信号で車両との間で双方向通信により充電制御を行う充電制御装置を内蔵し,充電器に充電用ケーブルが恒久接続されたものである。充電ケーブルセットは使用しない。また,車載蓄電池への給電は,充電器からの交流出力を,車両側で直流に変換して行う。 充電ケーブル付き充電器には,スタンド型と壁掛型とがある。
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