- 7 - ①普通充電(standard charge, normal charge) 放電した電池を完全充電する目的で,通常 8~12 時間かけて行う普通の充電方法。(JIS D 0115) ②急速充電(quick charge) 普通充電に対して,大電流によって短時間(30 分以下程度)で充電する方式。(JIS D 0115) ③充電器(charger) 電池に電気エネルギーを供給する装置。(JIS D 0115) 本ガイドにおいては,電気自動車に対し車載の走行用二次電池を充電するために施設する電気機械器具をいう。急速充電器及び普通充電器(充電ケーブル付き充電器,充電用コンセント盤,充電用コンセントスタンド,充電用コンセント)がある。 解 説 電気自動車の充電方式には,大別して交流で充電する普通充電と直流で充電する急速充電とがある。 普通充電に対応する充電器を普通充電器という。普通充電器には,充電ケーブル付き充電器(スタンド型,壁掛型),充電用コンセント盤,充電用コンセントスタンド,充電用コンセントがある。 急速充電に対応する充電器は広義の急速充電器と称し,国際規格である IEC 61851-23には相異なる 3 方式が提案されている。このうち実用化されているものは,日本提案である CHAdeMO 方式(IEC 61851- 23 の呼称は System A)が唯一であるため,本ガイドでは,以降急速充電は CHAdeMO 方式によるもののみを取り上げる。 CHAdeMO 方式の急速充電器は,入力電圧三相 200V,最大出力 50kW を標準とし,一般的な電気自動車を 30 分以下で 80%程度の充電を可能としている。他方,急速充電方式の一種であるが,定格出力を前述のものの半分程度以下に抑えて,低圧受電の需要家でも導入し易い充電器が開発されている。 急速充電では,車載の走行用二次電池を傷めないよう,充電の進行とともに充電電流を逓減する制御を行うため,充電器の定格出力を 1/2 としても,充電時間は単純に 2 倍とはならない。急速充電器に対し定格出力が半分程度の普通充電器であっても,所要の充電時間は急速充電器の数割増し程度で収まることから,電源容量に余裕の無い需要家では普通充電器も有用な選択肢となり得る。 それぞれ,利用者,設置場所,駐車場のタイプ,充電の態様などにより適切な充電器の種類が異なる。 表 2.2.1 に利用者別及び設置場所別に充電器の種類の選定例を示す。また,表 2.2.2 に充電器ごとの仕様例を示す。 2.2 充電器に関する用語
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