電気自動車用充電設備に係る電気設備の設計・施工ガイド
2/106

電気自動車用電気設備に関する調査研究委員会 一般社団法人 電気設備学会 委員長 清 水 洋 隆 低炭素化社会の構築やエネルギー利用の効率化が急務とされる今日,陸上交通の分野においては,CO2 排出量が低くエネルギー使用効率の高い電気自動車(EV;Electric Vehicle)及びプラグインハイブリッド自動車(PHEV;Plug-in Hybrid Electric Vehicle)(以下,本ガイドで単に「電気自動車」と呼ぶときは EV 及び PHEV の総称とする。)の普及に大きな期待が寄せられています。 電気自動車は,その名が示すとおり,二次電池に充電した電気をエネルギーとするものです。したがって,二次電池への充電が必要であり,今後,電気自動車の普及に当たっては,これら充電インフラの整備を進めることが必須となります。 平成 24 年 6 月に「電気設備の技術基準の解釈」が改正され,第 199 条の 2 として「電気自動車等の供給設備等の施設方法に係る規定」が新設されました。令和 6 年 10 月には第199 条の 2 第 3 項として,自家用電気工作物が設置された需要場所において充電設備と電気自動車等を接続する電路の使用電圧が直流 1500V 以下の高圧である場合の電路の施設方法が追加されました。 このように,我が国において電気自動車への充電用電気設備に係る基本的な安全基準は充実しつつありますが,これら設備を設計・施工するための規格・基準及びガイドなどは必ずしも分かりやすくまとまった形では整備体系化されてい ない状況にあります。 この「電気自動車用充電設備に係る電気設備の設計・施工ガイド」は,電気自動車への充電用電気設備の設計・施工に従事される方々が業務を円滑に進められるよう,「電気設備の技術基準の解釈」及び「内線規程」の内容をより具体的に示すとともに,当該設備に関係する各種法令・民間団体の規格基準等を広く取り纏め,必要な要件の整理を行って作成したものです。 このガイドが,電気自動車に関わる電気設備の技術者にとって有効で使いやすい指針となることを切に願うものです。そして,電気自動車への充電設備を施工する電気工事士をはじめ,電気技術者に広く周知され運用されることを期待いたします。 2025 年 7 月 はじめに

元のページ  ../index.html#2

このブックを見る